乳児ボツリヌス症
今年3月に、ボツリヌス菌が原因の「乳児ボツリヌス症」で6ヶ月の男児が
亡くなるというニュースが流れました。
これまで複数の発症例の報告がありますが、記録が残る1986年以降、
同症での死亡は初めて。
「乳児ボツリヌス症」は、1歳未満の乳児にみられるボツリヌス症です。
乳児では、ボツリヌス菌の芽胞(がほう)を摂取すると腸管内で菌が増殖し、
産生された毒素が吸収されてボツリヌス菌による症状を起こすことがあります。
症状は、便秘状態が数日続き、全身の筋力が低下する脱力状態になり、
哺乳力の低下、泣き声が小さくなる等、筋肉が弛緩することによる麻痺症状が特徴です。
今後、はちみつ及びはちみつを含む食品には、「1 歳未満の乳児には与えないで下さい。」という表示が増えると思いますが、表示がなくても気を付けておきたいですね。
なお、 ボツリヌス菌は熱に強く(耐熱性は 120℃,4 分)、通常の加熱や調理では死にませんので調理法を変えるのではなく摂取しないことを守ってください。